SRIインターナショナル(日本)
SRIのロボティクス技術:SRIのレガシーとロボティクス技術のさらなる追求
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SRIのロボティクス技術:SRIのレガシーとロボティクス技術のさらなる追求

SRIインターナショナル(日本)

SRIインターナショナルのロボティクスラボでは、様々な新しいロボティクスシステムや技術の開発が行われています。このブログでは、SRIのロボティクス技術の一部と、世界初の試みやブレークスルーに満ちたキャリアを築いたロボティクスラボのディレクターをご紹介します。

SRIインターナショナルの世界的にも有名なロボティクスラボのディレクターであるThomas Lowは、35年以上にわたってオートメーションや機械学習などの分野の進歩をリードしてきました。彼は今でも駆け出しの科学者の頃のエネルギーと情熱を持って仕事に臨んでいます。

Lowは「仕事」であるとは思っていません。彼にとっては「情熱」なのです。

そして、「これが私の楽しみなんです」とLowは述べています。

このパッション〜情熱〜が、Lowの長いキャリアを支えてきました。Lowはロボット工学の驚異的な進歩を牽引する第一人者であり、米国で47件の特許を保有しています。SRIではテレロボティクスのパイオニアとして、バイクで自律走行する初の自律型ヒューマノイドロボットの製作を主導してきました。
「これからも、ワクワクするような刺激的な研究がたくさんあるでしょう」とLowは述べています。

では、Thomas Lowとは何者なのでしょう?何を成し遂げてきたのか、そして次は何をしようとしているのでしょう?

SRIのレガシーを構築する

Lowにとって、SRIはちょっとした家族ぐるみの付き合いです。
Lowの父は、30年以上にわたってSRIのプログラムディレクターを務めていました。1984年にカリフォルニア大学バークレー校の機械工学科を卒業したLowは、卒業後すぐSRIに入社して、機械工学のラボで仕事を始めました。そして入社して数年後、SRIは彼がスタンフォード大学で機械工学の修士号を取得するための支援を行いました。

SRIはLowにとって当初から最適な場所で、彼の父親同様にこの非営利の研究機関で長く実りある時間を過ごしています。「最初から優秀な人たちと一緒に仕事をすることができ、非常に強力なチームの一員になることができたのは本当にラッキーでした」と振り返っています。

彼はSRIでのキャリアにおいて、Lowは民間企業や政府関連のクライアントのために、新しいロボティクスシステムや技術を開発してきました。

ソフトウェア開発、機械設計、コンピューター支援エンジニアリング、製造可能性、電気機械システム、センサー開発、リアルタイムコンピューターグラフィックス、ダイナミックシミュレーションなど、ロボティクス以外の分野にも取り組んでいます。

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また、オートメーションとマテリアルハンドリング、自律走行車、高度なヒューマンマシンインターフェース、医療機器とロボティクス、遠隔操作ロボットシステム、ドラッグデリバリーデバイス、プラズマ処理装置などのプロジェクトも主導してきました。

SRIに入社して間もない頃、Lowは医療機器とオートメーションに取り組んでいました。例えば、血圧監視(測定)システムに関する研究は、Lowにとって初めてFDA承認の製品となる医療機器の開発につながりました。「医療分野は、私たちにとって大きな焦点になりました」とLowは述べています。

この他にも、インクジェットや昇華型印刷、米国郵政公社(U.S. Postal Service)向けの革新的なプロジェクトなど、これまでに手掛けたプロジェクトは多岐にわたります。「私たちは、仕分けや荷物のハンドリングを行うシステムを開発しました。当時は、非常に新しく、とても難しい自動化作業でした。」とLowは述べています。

1980年代、ロボット工学は「新しいホットなもの」だったとLowは振り返っています。この新しい分野での可能性がLowの科学に対する情熱をかき立て、SRIで彼の焦点がオートメーションとロボティクスに向けられた時は興奮したそうです。「最先端だと感じられるものに携われることは、とてもエキサイティングなことでした」とLowは述べています。

テレロボティクス(遠隔ロボティクス)のパイオニア

Lowがこれまで取り組んできた多くのプロジェクトは、まさに「エキサイティング」の一言に尽きます。

例をあげると、彼は低侵襲遠隔手術の先駆けとなる画期的な研究を行ったSRIチームで欠かせないメンバーとして活躍しました。
Lowとロボティクスチームは、Phil GreenとGreenが所属するSRIバイオメディカルリサーチラボ(SRI Biomedical Research Laboratory)の協力のもと、初めて米国FDAに承認された「遠隔操作手術システム(Telerobotic Surgical System)」を開発しました。その後、Intuitive Surgical Incがこの技術をライセンスし、同社のDaVinci(ダビンチ)システムは現在、外科用ロボット手術のマーケットリーダーとなっています。米国や欧州、アジアで使用されている同システムのロボットアームによって、難しい外科手術を腹腔鏡下で行えるようになったことから、患者にとっては痛みや合併症などのリスクがより少なく、より早く回復できるようになりました。

「私たちが手掛けているようなプロジェクトでは、リスクマネジメントをしっかり行うことが必要です。“最高のエンジニア”とは、リスクを恐れるのではなく、知的かつ計画的な方法でリスクを取る人たちのことです」とLowは述べています。

LowとSRIのロボティクスチームはDaVinciシステムの画期的な成功を受けて、精密な操作を遠隔で行える小型で軽量の遠隔操作ロボットシステム「Taurus」を開発しました。DaVinciの成功に繋がった多くのイノベーションを採用したTaurusのロボティクスシステムは、様々な危険な場所や状況下での用途に使用されており、操作中のオペレーターは危険な作業現場から安全な距離を保つことができます。

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Taurusは非常に厳しい環境、例えば爆弾の信管除去などの危険な作業に使用されていますが、緊急の野外での手術にも適応されようとしています。Taurusには、独立して制御できる2本のロボットアームがあります。このアームには、それぞれ把手と7つの関節があり、人間の腕と同じように操作できるのです。Taurusはまた、立体ハイビジョンカメラと没入型3Dディスプレイを組み合わせたビジョンシステムも備えています。これらにより、Taurusは比類ない微細な操作性を実現しています。さらに、直感的なインターフェースであることから、最低限のトレーニングで簡単に使用することができます。

「人々はロボット側のことは考えますが、ユーザーインターフェースにはあまりこだわらない傾向があるのではないでしょうか。しかし、作ったものがうまく動くかどうかを決めるのはインターフェースなのです。」とLowは述べています。

MOTOBOTから福島へ、そして月へ

Lowは、SRIのロボティクスの研究者たちとヤマハ発動機株式会社と共同でMOTOBOTを開発しましたが、これはまたしても世界初の試みとなりました。MOTOBOTが誕生するまでは誰も、改造していない純正のバイクに自律して乗る”人型ロボット”を作ったことはありませんでした。

このプロジェクトのきっかけは、高性能なバイクの精密なテスト実験に使用できるロボットを作ろうということでした。走行テストなどのテスト実験は、エンジニアにとってはレース用バイクの性能向上などに役立ちますが、テストに参加をする人間のライダーにとっては危険な場合があります。ですが、MOTOBOTならロボットが運転するので危険はありません。

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ライダーロボットの持つ可能性は、ヤマハのオートバイの試験にとどまりません。MOTOBOTがより精密になり、機械学習をますます活用できるようになって得られた教訓は、自律走行車の設計分野全体にとっても貴重な知見をもたらします。

Lowのプロジェクトの中には、大きなプレッシャーがかかったハイリスクな賭け的なものもありました。2011年に日本で発生した東日本大震災による津波で、チェルノブイリ以来最悪の原子力関連の事故となった東京電力福島第一原子力発電所の事故が起こるずっと前から、Lowとそのチームは24時間体制で4カ月以上かけて超高線量の放射線の環境下で作動するロボットを開発していて、福島第一原発では格納容器を修理するためにこのロボットが使われました。

「プレッシャーの面でも、技術的な面でも、ほぼ不可能な仕事でした」とLowは述べています。

それにもかかわらず、まるで朝飯前かのように不可能を可能にしてしまいます。そして、これからもそう続けていくつもりなのです。

Lowは自身の長いキャリアで多くのことを成し遂げてきましたが、その地位に甘んずるつもりはないようです。ロボティクスラボが取り組んでいるNASAとの共同プロジェクトなどの新しいプロジェクトに胸を躍らせています。このプロジェクトは主に、月の水源探査などに使える全く新しいロボットの製作に重点を置いています。航空愛好家かつパイロットでもあるLowは、宇宙ミッション用のロボット製作について興奮しながら技術的な詳細を説明した後、他のプロジェクトの話に飛びついて、その目はまだ興奮に輝いています。

「私はこういうことが大好きなんです!」とLowは述べています。

SRI Internationalについて、詳しくはhttps://www.sri.com/jaをご覧ください。

編集/管理:熊谷 訓果/ SRIインターナショナル日本支社

参考資料:


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