SRIインターナショナル(日本)
世界を変えるイノベーションを先導するSRIのComputer Science Laboratory
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世界を変えるイノベーションを先導するSRIのComputer Science Laboratory

SRIインターナショナル(日本)

多くの人は、この世界をより安全で相互的に繋がりのある場所になることを夢見ています。

このブログでは、今まさにその「夢を現実に」しようとしているSRIインターナショナルのComputer Science Laboratory 所長のPatrick Lincoln博士とその専門チームをご紹介します。

このチームは、サイバーセキュリティからデジタルプライバシー、計算生物学からスケーラブルな分散システム、ナノエレクトロニクスなど、あらゆる分野において世界で最も洗練された技術革新を開拓していくことで、この夢を実現しています。

これらはSRIのフェロー兼バイスプレジデントでもあるLincolnが、SRIのComputer Science Laboratoryの所長として率いて展開している画期的でエキサイティングな研究の1つに過ぎません。

特にサイバーセキュリティに関するチームの研究についてLincolnは、「私たちは長期的なソリューションに取り組んでおり、世界がよりプログラマブルになっていく中で、生活をより安全にするためのツールを作っている」と述べています。

その発言通り、SRIにて国土安全保障省サイバーセキュリティ研究開発センター(Department of Homeland Security’s Cyber Security Research and Development Center)向けのプログラムのエグゼクティブ・ディレクターも務めるLincolnにとって、デジタル時代におけるプライバシーは彼自身も特に注目している重要なテーマです。また、Lincolnは他にも、SRIのCenter for Computational Biologyの所長も兼務しています。

彼の担う研究内容とその責任の大きさには目を見張るものがあります。このブログでは、Lincolnが率いるイノベーションについてと、独創的な科学者であるLincoln自身の姿についても詳しくご紹介したいと思います。

SRIに居場所を見出す

LincolnはSRIの生き字引のような存在で、「ほんの30年前に入社したばかりですよ」と冗談を言うほど、その歴史は長いです。

冗談はさておき、Lincolnほどの類まれな才能があれば、彼が希望するどの分野のどのポジションにでも就くことは容易だったはずです。それにも関わらず、最先端の科学研究組織に何十年ものあいだ留まっているのには、それなりの理由がありました。

「SRIで仕事を続けている1番の理由は、ここにいる人たちです」と、Lincolnは言います。「2つ目の理由は、さまざまな分野において優秀で創造的、そして率直に言って人柄の優れた素晴らしい研究者が集まっています。また、SRIにはチームや部署、そして分野を超えてソリューションを見出すことができる環境が整っています。そして3つ目の理由は、SRIは企業や組織、大学、政府関係者などとうまく連携しているからです。SRIは非営利団体であることから、各関係者と競合することはほぼないので、実りある協力関係性を築くことができます。」

確かに、LincolnはSRIでのキャリアで、いわば技術的な功績を残してきました。MIT卒業後、スタンフォード大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得し、ゲーム理論やスケーラブルな異常検知からプライバシーを保護したデータの共有などと、インパクトのある研究プロジェクトを行う学際的なグループを率いて数百本もの科学論文を発表しただけでなく、40件以上の特許を取得しており、民間企業や公営企業、非営利団体、政府機関や政府部門の科学アドバイザリーボードを務めています。

Lincolnと共同研究者たちは、2013年の第19回ディペンダブルコンピューティングに関する環太平洋国際会議(Pacific Rim International Symposium on Dependable Computing)にてBest Paper Award受賞しました。BBC(英国放送協会)とPBS(米国の公共放送サービス)の共同制作ドキュメンタリー番組「Nova」は、そのサイバーセキュリティに焦点を当てた番組内でLincolnを取り上げています。

このような素晴らしい偉業を達成すれば誰もが少しは自惚れるところですが、Lincolnは違いました。むしろ彼は「成功するには他人との協力が不可欠である」と一貫して主張しています。「私たちが新しい人材を採用する際に求めているのは、数学的な勘の良さとクリティカルシンキング(多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解)のスキルがあり、かつチームの一員として働くことができる性格の良い人です。良いチームであれば、私たちが取り組んでいる重要なあらゆる課題をより早く、より良く、より強力に解決することができるのです」とLincolnは述べています。彼のチームは、医師が人々の健康状態を改善するために、そして患者により良いサービスを提供するために役立つ計算モデルの生成を目的としたシステム生物学のプロジェクトに取り組んできました。

安全なデジタル社会の構築

Lincolnのチームに参加する人は誰でも、21世紀の最先端技術が抱える課題に取り組む機会を得ることができるでしょう。

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その中でも、特にサイバーセキュリティは研究の中心となっています。

コンピューターや携帯電話、スマートデバイス、スマートシステムは、私たちの生活にとって毎日多くの恩恵をもたらしていますが、その一方で悪意のあるデジタル世界の住人からは脆弱であることも事実です。これらの機器やシステムは相互に作用していることから、ハッカーにとってはこれら1つ1つが私たちのプライベートな空間に忍び込む侵入経路になりうること意味しています。ハッカーは私たちを監視したり、私たちの身分を詐称したり、私たちの銀行口座から預金を引き出したりするなどと、あらゆることをたくらんでいます。もちろん、デジタル世界において悪意の第3者から我々を保護する機能は存在します。しかし、Lincolnによれば、これらの保護機能もすべての脅威を退けるにはまだ不十分であるとのことです。防波堤にはなっていますが、あらゆる弱点に対する攻撃を食い止めるにはまだ精巧さが追いついていません。

リンカーンと彼のチームは、これを変えようとしています。

SRIでコンピューターを研究している科学者たちは、政府や民間企業と密接に連携し、本質的にサイバー攻撃に強いソフトウェア、つまり、サイバーセキュリティとプライバシーの原則に基づいてハイパーインテリジェントに(非常に知的に)脅威を自ら排除できるシステムの構築を後押しする技術ツールなどを作成しています。

「SRIは、多くのIoT(モノのインターネット)デバイス、ならびにそのソフトウェアやハードウェアのプラットフォームの実験を行っていおり、メーカーがより安全でプライベートなシステムを簡単に構築できるツールの構築の支援をすることができます。つまり、我々は安全なソフトウェアを簡単に構築するツールや、消費者にデータプライバシーを提供するソフトウェアを簡単に構築するツール、特にIoTデバイスに関連したツールを手がけています。目的は、あらゆるレベルにおいて、あらゆるデバイスが真のプライベートで安全である世界を作ることです。」とLincolnは述べています。

その実用的な成果は驚くべきものです。

正しく実装すれば、例えば悪意のある誰かがあなたのノートパソコンや携帯電話のカメラに不正アクセスして、あなたやご家族を盗み見することを防ぐこともできます。Alexaやスマートホームのシステム、車のコンピューターが危険にさらされることもなくなるということです。

さらに、LincolnとSRIが構築しようとしているのは、あなたのデバイスが保存しているあなたのデータを使って、より効率的に買い物ができるような広告を配信するだけでなく、あなたのプライバシーを侵害しない安全な世界です。

「この場合のデータは、消費者にとっても自身のプライバシーに悪影響を及ぼさないように作られます。つまり、消費者と小売業者の関係外の他者にプライベートな情報が漏れないようにして、なおかつ継続的にその消費者と小売業者の関係に価値を付加できるようにデータを共有できる方法があるのです。」とLincolnは述べています。

さらに安全でプログラマブルな世界に向けて

今後、頑強なデジタルセキュリティの重要性はますます高まることでしょう。なぜなら、あらゆるものがプログラマブルになる可能性が大いに高いからです。Lincolnは「プログラマブルであることは、大きな利点です。しかし、それは潜在的な脅威も含んでいます」と述べています。

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しかしながら、SRIが確立しようと取り組んでいる適切なセキュリティ対策があれば、こうした脅威はほぼ排除され、人々は広範囲にプログラムされた世界の恩恵を大いに享受できるようになります。

その恩恵とはどのようなものなのでしょう。Lincolnはいくつかの実例をあげました。

例えば、RFIDタグが付いており、スマート洗濯機にきれいに洗える適切な温度を自ら伝えてくれるシャツ。冷蔵庫の棚別に異なる温度を簡単に設定できるコンピューターを内蔵した冷蔵庫。さらには、極端に機能を強化したFitbitのような、歩数の記録から歩幅や足の向きの情報まで、運動機能を最大限発揮できるようにプログラムされたシューズ。このように高性能な機能例は、全て非常に高度なテクノロジーによって支えられており、一般的な消費者向けでも、ヘルスケアなどの専門的な領域でも、ユーザーがそれぞれの分野に関する独自の言語でデバイスを自分で簡単にプログラムしたり、カスタマイズが可能になります。

Lincolnは「日常的に使う機器により多くのデータや通信の機能性を含めるようにすると、セキュリティやプライバシーが侵害される可能性が芽生えてきます。そのため、私たちは、IoTを手掛けるソフトウェアやハードウェアのメーカーが、より優れたセキュリティとプライバシーを提供できるツールを構築することに焦点を当てて研究しています。こうすることで、プログラマブルな世界が、人々をより幸せにして、より快適な生活を送れるようになります。より多くの情報を、より確実に、より頻繁に、より安全にアクセスできるようになるのです。」と述べています。

SRI Internationalについて、詳しくはhttps://www.sri.com/jaをご覧ください。

※このブログ記事は、弊社の英語ブログサイトに2020年8月に投稿されたブログの翻訳です。

編集/管理:熊谷 訓果/ SRIインターナショナル日本支社

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