SRIインターナショナル(日本)
SRIの75年間のイノベーション:宇宙、エネルギー、持続可能性について
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SRIの75年間のイノベーション:宇宙、エネルギー、持続可能性について

SRIインターナショナル(日本)
SRIの英語ブログでは、2021年11月の75周年を迎える日まで、SRIが設立された1946年から現在に至るまでの数々の画期的なイノベーションに関するブログを毎週リリースしています。こちらの「75年間のイノベーション」シリーズでは、その中からいくつかを日本語にてご紹介しています。

よりクリーンでグリーンな未来につながる技術開発

私たちは、段階的な改善が良いとは思いません。私たちは世界を変えるような技術と質の高いソリューションを開発します。 — SRIインターナショナル

SRIインターナショナルの研究者や開発者の頭の中は、いつも私たちの大切な地球のことで一杯です。最先端の技術を駆使し、宇宙やエネルギー、持続可能性に関する科学を探求してきたSRIは、今ではこれらの分野を牽引する存在となりました。そして創業以来75年以上にわたって、これらの分野で重要な進展を見せてきました。この記事では、宇宙やエネルギー、持続可能性に関するSRIの過去と現在、そして未来の姿をご紹介します。

過去はいかに未来に影響を与えたか

科学や技術の大半は、これまでの過去の画期的な発見の上に成り立っています。幸いな事に、SRIインターナショナルは世界で最も著名である科学者や技術者と共に研究する事ができ、本当の意味での「変革」を実現してきました。最も影響を与えたこれまでの発見や開発には次のようなものがあります。

太陽光発電

「太陽」を活用してエネルギーを生み出すことは、「持続可能性」にとって不可欠な要素です。今でこそ太陽エネルギーはクリーンで持続可能なエネルギーを生産する方法として広く認識されていますが、太陽エネルギーの持続可能性についての確立に寄与する為に、SRIは1950年代に第1回「太陽エネルギーの応用に関する世界シンポジウム(World Symposium on Applied Solar Energy)」を開催しました。このシンポジウムは、「太陽光発電」という分野に実質的な革新をもたらす先駆けとなりました。中でも太陽光エネルギーのあり方を変えたのが、1976年にSRIが特許を取得したアモルファス太陽電池(the amorphous solar silicon cell)です。この発明により効率が向上し、その後に続く革新的な持続可能なエネルギーにつながるプラットフォームを提供できるようになりました。

大気汚染/オゾン層破壊

「大気汚染」は何百年にもわたって、人々の健康に大きな影響を及ぼしてきました。SRIインターナショナルは1947年に、汚染物質が人間の健康にどのような影響を及ぼすかについて調査を開始しました。その後数十年にわたり、自動車や産業、喫煙などから発生する大気汚染物質が人間の呼吸器系疾患の発症に及ぼす影響について、さらに研究が進められました。この研究は1980年代に、紫外線から動植物を守る大気層である「オゾン層の破壊」についてまで、その対象範囲が拡大されました。そしてSRIは、成層圏オゾンの破壊にクロロフルオロカーボン(CFCs: Chlorofluorocarbons)がどれだけ影響しているかについて調査するチームの一端を担いました。

半導体(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor 相補型金属酸化膜半導体)

コンピューターによって、多くの革新がもたらされました。しかし、私たちが現在使っている高性能なコンピューターは、1965年にSRIが開発したCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor 相補型金属酸化膜半導体)がなければ存在していないでしょう。現在、世界中の電子回路の大半にCMOSチップが搭載されており、低消費電力で処理速度を向上させる為に欠かせないものとなっています。

タイロス1号(TIROS 1:〜テレビカメラ搭載赤外線観測衛星)

気象パターンを予測するために現在使用されている「気象衛星」は、SRIの研究室で誕生しました。SRIでは学際的かつ経験豊富なチームを構築するために他の組織と頻繁に協力することがあり、1960年に初の気象衛星として成功を収めた「タイロス1号」の打ち上げも、そのような協力体制の下で実施されました。このプロジェクトメンバーにはRadio Corporation of America(RCA、現在はSRIインターナショナルの一部)やNASAなどが名を連ねていました。そして、タイロス1号はその後に続く気象衛星の基準となりました。

過去から、よりグリーンでクリーンな未来へ

SRIインターナショナルとその関係機関が手掛けたこれまでの開発は、現在私たちが日常的に使用している多くのイノベーションを生み出しました。1965年のCMOS開発は、2019年の「デジタル暗視カメラ」の開発につながっており、今では米陸軍の統合視覚増強システム(Integrated Visual Augmentation System:IVAS)プログラムを支えています。きれいな空気と人々の健康を守るSRIの取り組みは、水素貯蔵や高性能コーティングなどのクリーンな素材やグリーンテクノロジーの開発につながっています。

これまでに築き上げた開発成果を基に、未来のイノベーションに向けた貴重な機会が生まれました。それでは、その例をあげます;

持続可能性とエネルギー

飲料水に関する技術:清潔で容易に手に入る飲料水の確保は、人間が生きていく上で欠かせません。SRIインターナショナルは、水を浄化する膜の製造と規模の拡大に取り組んでいます。水資源の確保が難しい国で将来にわたって清潔な水を利用できるように、このような技術を開発しています。

廃水処理技術: SRIは1998年に水熱分解法(Assisted Hydrothermal Oxidation:AHO)と名付けた処理法を開発しました。この処理法により、廃水や塩素系廃棄物、化学兵器、爆発物などの有害物質を環境面でも安全に、かつ低コストでの方法で処理できるようになりました。SRIは引き続きこの研究を基に、「持続可能な水処理」に必要な技術を今後も開発していきます。AHOのさらなる開発と商業化、そして掘削泥や流出した油から炭化水素を回収し、この過程で生成された水を浄化するための熱水抽出法(hot water extraction:HWE)の開発に取り組んでいます。

炭素回収技術:炭素回収は、二酸化炭素(CO2)が大気中に放出されないように処理する重要な技術であり、気候変動から地球を守るためには不可欠な手段です。SRIインターナショナルは化学吸収法の概念実証から小規模試験とパイロット開発までを担っています。これには、冷却アンモニア法(チルドアンモニア法)、炭酸アンモニウム-重炭酸アンモニウム法(AC-ABC)、混合塩法(MSP)などの燃焼前の処理や、燃焼前処理にて使用する膜を基にした技術などが含まれます。

SRIインターナショナルは、今後も二酸化炭素の回収能力を向上させます。これには発電所内でのCO2回収技術の大規模な試験や実証が含まれます。

宇宙分野

衛星追跡サービス:SRIインターナショナルは宇宙技術分野の進歩において、長い歴史を有しています。レーダーのデータを活用してスペースデブリ(宇宙ゴミ)を検知し、衛星と衝突するのを防ぐという新しい試みを行っています。SRIは、イノベーションを商業化するために数十年にわたって用いてきたスピンアウト及びコラボレーションモデルを体現したベンチャー企業を立ち上げました。このLeoLabs(Low Earth Orbit:地球低軌道)というスタートアップ企業は、SRIが衛星追跡サービスの商業化を手掛けるにあたり、中心的な役割を果たしています。LeoLabsは2016年にSRI Venturesから独立する形で創業し、現在は地上に設置されたフェーズドアレイレーダー(phased-array radars)のネットワークを活用した衛星追跡サービス提供の商業化を目指しています。LeoLabsは、SRIが開発した先端モジュール式非干渉性散乱レーダー(AMISR:Advanced Modular Incoherent Scatter Radar)によって実現しました。AMISRは、米国国立科学財団(National Science Foundation)が担う北極圏のオーロラや上層大気、電離層の最先端の研究のために開発されました。LeoLabsの独立の一環として、SRIはLeoLabsチームが衛星追跡用レーダーの構造強化を手掛ける際に支援をしました。これにより、軌道上での衝突を防ぐ対策を取れるような情報として、レーダーのデータを活用できるようになりました。

次世代のソフトウェアシステムと量子センサー:SRIは衛星運用の際の衛星測位(pointing/navigation/timing:PNT)の機能向上を目的とした次世代のソフトウェアシステムと量子センサーを開発しています。SRIインターナショナルはまた、企業や学術界、連邦政府の専門家で構成される量子経済開発コンソーシアム(QED-C: Quantum Economic Development Consortium)を運営しています。QED-Cは量子技術の未来を切りひらく堅固な量子エコシステムの構築を目指しています。

SRIインターナショナルは「イノベーション」という理念に基づいて設立されました。世界的な専門家がグローバルな組織と協力して、人類が進歩するための科学技術の開発を推進するとともに、よりクリーンで持続可能な未来の実現を目指します。

SRI Internationalについて、詳しくはhttps://www.sri.com/jaをご覧ください。

参考資料:

日本語ブログ/SRIの75年間のイノベーション:太陽光発電 https://dish-japan.sri.com/n/nec98ffd60278)

日本語ブログ/SRIの75年間のイノベーション:大気汚染/オゾン層破壊 https://dish-japan.sri.com/n/nf674d884c70f)

日本語ブログ/SRIの75年間のイノベーション:航空機に搭載されているスタティックディスチャージャー(静電気放電棒) https://dish-japan.sri.com/n/nd3907dca7793)

日本語ブログ/SRIの75年間のイノベーション::CMOS(相補性金属酸化膜半導体) https://dish-japan.sri.com/n/n6c065f4b486a

日本語ブログ/SRIの75年間のイノベーション:タイロス1号(TIROS 1) https://dish-japan.sri.com/n/n754cf21cdd24

SRI MSP technology: https://netl.doe.gov/node/10671

Assisted Hydrothermal Oxidation (AHO): https://www.sri.com/hoi/hazardous-waste-disposal/

Scientific American, Carbon Capture Technologies Are Improving Nicely: https://www.scientificamerican.com/article/carbon-capture-technologies-are-improving-nicely/

LeoLabs: https://www.leolabs.space/

QED-C: https://quantumconsortium.org/

編集/管理:熊谷 訓果/ SRIインターナショナル日本支社

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