SRIインターナショナル(日本)
SRIの75年間のイノベーション:バイオサイエンス
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SRIの75年間のイノベーション:バイオサイエンス

SRIインターナショナル(日本)
SRIの英語ブログでは、2021年11月の75周年を迎える日まで、SRIが設立された1946年から現在に至るまでの数々の画期的なイノベーションに関するブログを毎週リリースしました。こちらの「75年間のイノベーション」シリーズでは、その中からいくつかを日本語にてご紹介しています。

世界をより健康にするテクノロジーの追求

「SRIは個々の疾患に作用する薬を一つ一つ探すモデルから、複数の適応ができるプラットフォームの構築へと移行したことで、SRIと協力企業はこのような薬の開発手法に関してアンフェアともいえる競争上の優位性を得ることができました」- Ian Colrain, President of SRI’s Biosciences Division

「バイオサイエンス」という学問は、医療に多大なブレークスルーをもたらしたとともに、人々がより長い間、より健康な生活を送ることを可能にしました。SRIインターナショナルは医薬品関連技術の進歩からロボット手術に至るまで、この医療革命の一端を担ってきたことを誇りに思っています。

SRIとSRIのバイオサイエンス部門は、医療の世界に長らく影響を及ぼし続けています。このブログでは、ヘルスケアと医療分野での斬新な開発のいくつかを紹介します。

熱のある医学的洞察

顕微鏡のパワーから人間の睡眠に至るまで、SRIはこれまで75年間にわたって人間の健康について深くを研究してきました。

・顕微鏡

SRIは、機器を通じてバイオサイエンスの世界に計り知れない価値を与えてきました。1940年にRCA Laboratories(後にSarnoff Corporationと改称、現在はSRIインターナショナルの一部)で開発された世界初の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)もその一つです。TEMは材料科学、医学、生物学研究、法医学分析、地質学など、さまざまな分野で活用されている技術です。この高分解能顕微鏡の倍率は50倍から5,000万倍です。

・抗がん剤

癌は、自分自身もしくは親密な人などがいつかは罹患する可能性があり、誰にでも関わってくる病気です。SRIの「癌との闘い」は、1960年にカリブ海で発見された海綿から2つのヌクレオシド(nucleoside)を分離して、ビダラビン(Vidarabine)と名付けた薬剤から始まりました。それ以来、SRIは1999年に皮膚T細胞性リンパ腫の治療に使用するタルグレチン®(Targretin®)などをはじめ、いくつかの重要な抗がん剤を世に送り出しました。また、これまでに50種類近くの抗がん剤の開発に携わり、ヒトでの臨床試験に至っています。

・超音波

SRIは1794年から知られている超音波の概念そのものを発明したわけではありませんが、1980年代に開発した反射透過撮像技術(Reflex Transmission Imaging:RTI)を活用して現在の超音波を作り上げました。このRTIによってきめ細かな画像処理が可能になったことから、超音波は実用的な医療診断機器として世界中に普及しました。

・双子の研究

双子の健康状態を研究することで、遺伝子が医療に果たす役割について重要な知見が得られます。SRIは1995年に、双子に関する包括的な研究サンプルを構築しており、その後は地域を拠点とした登録機関であるTwin Research Registry(TRR)に移行しました。この登録は、科学者が様々な病気における遺伝子の役割を研究するための貴重なデータベースです。SRIは2019年にTRRをスタンフォード大学医学部(Stanford Medicine)の管理下に移しましたが、その時点で6,208人の双子が登録されています。

・FOX Three分子誘導細胞標的化システム

病気の治療に必要な薬は、時には体の他の部分には毒となることがあります。SRIは、癌やその他の病気の治療時に障害となるこの現象を克服するため、FOX Three分子誘導細胞標的化システムを開発しました。FOX Threeの技術は、モデリングを使用して標的細胞上の受容体とペプチドをマッチングさせ、詳細な要件に合わせてペプチドを合成するという仕組みです。このペプチドは「MGS」と呼ばれる独自のデリバリー剤となり、脂質ナノ粒子に包まれた薬物を、細胞膜を越えて標的細胞内に送り込みます。この標的細胞を定めた薬物投与は、他の細胞への薬剤の取り込みを阻害することができるため、薬物過敏症の発症可能性を低減させるのに役立ちます。2017年に開発されたFOX Threeはその後、癌患者をこれまで以上に支援できる新しい免疫療法の開発に使用されています。

過去に基づいて健全な未来に希望を託す

SRIのバイオサイエンス関連の開発の多くは、SRIにおける過去の発見や発明の上に成り立っており、今後も引き続きイノベーションを起こすことに繋がります。

・睡眠に関する研究

健康で幸せな生活を送るためには十分な睡眠が不可欠ですが、「睡眠」は人間の行動の中で非常に研究しにくい分野です。SRIでは過去20年間にわたり、科学者たちが立ち上げたヒューマンスリープリサーチプログラム(Human Sleep Research Program)で日常生活における睡眠の為の重要な要素を理解するための研究を続けています。SRIで実施している睡眠に関する研究には、思春期における睡眠と脳の発達的変化、中年女性の睡眠障害におけるほてりとホルモンの役割、アルコール中毒における睡眠障害、不眠症の病態生理に関する画期的な研究などがあります。SRIのラボは、睡眠評価に使用するウェアラブルデバイスや睡眠障害の新規治療法の検証・開発で世界をリードしています。

・アルツハイマー病などの神経変性疾患の診断

SRIが革新的な技術で乗り越えたもう一つの壁が、血液脳関門です。抗体薬や遺伝子治療など生物学的治療が使えない中枢神経系に薬剤を届けるためのシステムとして、2021年に発表されたのが「DiaCyt™ CNS(中枢神経系)ドラッグデリバリープラットフォーム」です。このシステムにより、アルツハイマー病やパーキンソン病に加え、脳腫瘍などの神経疾患の治療にも最先端の治療法を用いることができるようになりました。

・新型コロナウイルス感染症パンデミックのSRIの支援

SRIの健康や医療に関する膨大な知識は、新型コロナウイルス感染症の大流行にも活用されています。SRIは研究機関や大学、政府機関と協力して、すべての人がパンデミックを乗り切れる道筋を見つけられるようにリソースを結集しています。新型コロナウイルス感染症への対応には、他の疾患に使用されているSRIの既存プラットフォームが応用されています。このプラットフォームは、既存の抗ウイルス剤の適応拡大や新型コロナウイルス感染症に対する新しい抗ウイルス剤の設計に役立っています。

SRIはまた、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の迅速検査ができるプラットフォームを開発し、迅速かつ大量の検査が必要な時に活用されています。SRIは現在(2021年11月)、新型コロナウイルスを即座に検出できる携帯型デバイスの開発に取り組んでいます。

さらに、免疫システムが新型コロナウイルスを標的にして対抗するような医薬品も開発しています。SRIでは、このような新種のウイルスが引き起こす複雑な病状を解明するにあたり、コンピューターインテリジェンスプラットフォームを積極的に採用しています。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のようなウイルスのタンパク質構造の理解にインテリジェントなコンピュータモデリングプログラムを使用すれば、この構造に関する情報から科学者がタンパク質の層構造に焦点を当てた標的治療法を開発できるのです。

未来の健康

SRIはすべての人のために、現代の医療をより速く進歩させられるような新しいプラットフォームやプログラムの構築に取り組んでいます。それが全く新しいものであるか、業界初となるものなのか、あるいは未だ創薬できていないものに取り組むのかにかかわらず、SRIは解決不可能と思われるものに取り組む能力があります。

SRIは、精密医療(precision therapeutic)の標的治療薬やAIを活用した分子設計などに重点を置いています。この新しい健康に関するイノベーションの一部をご紹介します。

・分子誘導システム

細胞および細胞内の標的、特に今は治療できない標的に選択的かつ安全に到達するようプログラム可能な分子誘導システムの作成方法や、血液脳関門を通過するペイロード(薬物)を制御可能にプログラムできるシステムです。

・次世代AIによる医薬品開発

医薬品開発のための次世代AI技術に、説明能力のあるAI(Explainable-AI)を取り入れ、最先端の連続フロー製造システムと組み合わせることで、迅速な反復開発を実現します。

・Precision medicine(精密医療・高精度医療)

Synfini™:SRIインターナショナルは、反応スクリーニング・最適化手法(Reaction Screening and Optimization:RSO)を用いて多段階合成を自動化するSynFini™プラットフォームを開発しました。SynFini™プラットフォームは、分子合成法の最適化の開発時に、化学者の役割を補助するツールです。このプラットフォームは既存のデータベースにある既知の反応メカニズムを利用し、機械学習(Machine Learning)を使用して新しい反応を予測します。医療分野では、よりターゲットを絞った生物学的化合物および治療薬の開発にSynfini™が使用されています。

Techneins™:SRIのバイオサイエンスラボは、治療薬や診断薬として使用できる有力かつ選択的な親和性試薬を開発するために、Techneins™分子探索プラットフォームを開発しました。

SRIは世界で最も重要な医学関連のブレークスルーのいくつかを支えており、世界をより健康な場所にするために、今後もバイオサイエンスの分野に取り組んでいきます。

SRI Internationalについて、詳しくはhttps://www.sri.com/jaをご覧ください。

参考資料:
Ultrasound: https://medium.com/dish/75-years-of-innovation-ultrasound-1999c724f750 (日本語ブログ:Ultrasound 超音波技術によって内部から生じる画像

Cancer Drugs: https://medium.com/dish/75-years-of-innovation-cancer-research-7929abbf119e日本語ブログ:がんの研究 〜がんとの闘いにおける、治療法と治療実施メカニズムのイノベーション〜

FOX Three Molecular Guidance System: https://medium.com/dish/75-years-of-innovation-fox-three-molecular-guidance-system-3c7e01a1f8ef日本語ブログ:FOX Three分子誘導細胞標的化システム

Microscopy: https://medium.com/dish/75-years-of-innovation-the-worlds-first-commercial-transmission-electron-microscope-tem-1231d72589b2日本語ブログ:高分解能透過型電子顕微鏡(TEM)

SRI introduces DiaCyt™ CNS drug-delivery platform: https://www.sri.com/emerging-tech/sri-introduces-diacyt-cns-drug-delivery-platform-at-2021-jp-morgan-conference/

The Dish, Solving for sleep: https://medium.com/dish/solving-for-sleep-8d2513893dad日本語ブログ:睡眠を解き明かす

SYNFINI™: https://www.youtube.com/watch?v=HdY6nxKx5O8

TECHNEINS™: https://www.sri.com/case-studies/techneins/

Ian Colrain, President of SRI’s Biosciences Division: https://www.youtube.com/watch?v=J4H4Fw3PnqY

編集/管理:熊谷 訓果/ SRIインターナショナル日本支社

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